再生医療相談室


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掲載日2010/04/07 分類:脳・神経・脊髄
Q :脳梗塞 (ID=20100330061844129)
[内容]10年前に脳梗塞になり左半身が麻痺しました。先日ネットでこのような記事をみました。今後近い未来この様な治療が受けられるのでしょうか?
そして以下のサイトの文のもう少し詳しい内容を知りたいです。
http://mmmlog.blogspot.com/2009/12/9.html

質問項目タイトル 脳梗塞の再生治療
質問項目 (内容) 10年前に脳梗塞になり左半身が麻痺しました。
札幌医科大学本望修先生の体性幹細胞による脳梗塞治療を受ける事が出来るでしょうか。
http://mmmlog.blogspot.com/2009/12/9.html
に掲載されている第9回オザグレル学術講演会の本望修先生の発表内容についての文章をもう少し詳しい解説して下さい。


A:回答項目 (内容) 札幌医科大学、脳神経外科で行われている、骨髄由来間葉系幹細胞を用いた脳梗塞治療についてのご相談と思います。相談者が引用しておられるのは、札幌医大本望先生の講演を聴かれた三品雅洋先生( http://plaza.umin.ac.jp/~mishina/ )のブログで、中でも「それも急性期ではなく慢性期に効果があるのは画期的です」という部分に、治療の可能性を感じておられるものと想像致します。この点について以下に解説を加えます。なお、治療法については、本望先生の論文(本望修、宝金清博.骨髄細胞を用いた脳梗塞の治療.脳外誌 17: 527-530, 2008)を参考にしました。
 一般に、脳梗塞の治療は早期の急性期治療が最も重要で、時間を争う初期治療と発症後数日間の急性期治療でその後の経過が大きく左右されると考えられています。その上で、本望先生の治療は、「脳梗塞急性期の一般的な治療が終了した後、可及的早期に開始することを目指して」、「発症の2?3週以内を目安として」、骨髄液を採取し、「2?3週で目標の細胞数まで培養を試み」た上で、「いったん凍結保存し、安全性と品質性の検査にパスしたもののみ投与する」というものです(「」内は上記文献よりそのまま引用)。ということは、実際の細胞治療が行われるのは、最も早い場合でも発症後4週以降、遅い場合は6週以降ということになりますが、それでも「従来の脳梗塞患者の自然経過と比較して、きわめて回復がよいと思われる症例も散見され」るということですから、同じ脳外科医の三品先生からみると、急性期治療が終わった「慢性期にも効果があるのは画期的」ということになったのだと思われます。
 従って、このような幹細胞をもちいた治療が、発症後10年を経過した場合にも効果がるかどうかは、現在のところ不明です。但し、今のところ発症後比較的早期(3週後まで)の症例が対象ですが、このような治療法の安全性と有効性が確認されて多くの症例に行われるようになれば、実際にどこまで広がるかは予言できませんが、次第に適応範囲が拡大してくることも期待されます。
 ブログの文中にあるES細胞などその他の点については、本相談室の他の文などをご参照ください。なお、脳梗塞に対する細胞治療につきましては、過去に文番号347, 363, 370, 394, 421, 436でも取り扱っておりますので、ご参照ください。


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