再生医療相談室

No.016 コラム鵜の目鷹の目

幹細胞って何ですか?

私たちの身体は細胞でできています。血液も、肝臓も、心臓も、腎臓も、脳も(^_^)v

細胞には寿命があって、その寿命は、私たち自身の寿命より短いのですから、生きている間に身体を作っている細胞は何回も作り変えられることになります。

例えば白血球の寿命は数時間から数日だそうです。白血球が作られるのは骨の中、骨髄と呼ばれるところです。骨髄の中の造血幹細胞と呼ばれる[幹細胞]が、分化して(成長して)新しい白血球になります。白血病の治療で癌になった場合、抗がん剤投与後に骨髄移植をすることがありますが、これは骨髄を移植して新しく白血球を作る”再生医療”です。ある細胞に分化する前の細胞が幹細胞です。造血幹細胞の場合は血液の細胞に分化するように、通常の条件下ではどの細胞に分化するのか決まっています。ところが、研究が進んで、造血幹細胞でも、骨、軟骨、血管、心筋細胞、神経細胞、グリア細胞、肝細胞などに分化しうることが分かってきました。

脂肪細胞のもとになる幹細胞は、脂肪組織由来幹細胞と呼ばれていますが、この脂肪組織由来幹細胞も、同じく、内胚葉、中胚葉、外胚葉系の細胞に分化しうることが確認されています。造血幹細胞も脂肪組織由来幹細胞も間葉系組織の仲間ですので、これらを纏めて間葉系幹細胞と呼ぶことがあります。

(neuron / 20230310)