NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.48


専門分野: 腎臓

Q: 慢性腎不全なんですが

 14歳の子供が慢性腎不全なんです。生態腎移植を希望していますが、かかりつけの病院では、その前に透析を1年程受けないといけないんだそうですが、そろそろその時期がきたみたいです。今後、腎臓の再生医療が可能になった時に移植者には適さないと言う様な事はないんでしょうか?心臓・血管・皮膚の再生医療は、すでに行われている様に書かれていましたが、腎臓はまだまだ先の話なんでしょうか?

掲載日: 2008.11.16

A:

 腎臓は単一の細胞からなっているのではありません。複数の細胞が立体的に尿細管・糸球体や集合管などの構造を系統的に構築して、これら腎臓という臓器を形成しています。現在、研究が進んでいるのは、尿細管再生、増殖のメカニズムという狭い範囲の現象といわざるをえません。したがって、十分な機能を有する腎臓まるまるひとつを体外でつくりあげ、これを移植するのには、まだ高いハードルがあるといえます。その一方で慢性腎不全でも線維化という腎臓障害の最終段階に至る以前の段階で、尿細管・間質領域を量的・機能的に補充や拡大する目的で、腎幹細胞の移植、腎幹細胞を活性化するための増殖因子の導入、胚性幹細胞の移植などの基礎研究もおこなわれています。ご子息の腎不全の程度がどの程度かわかりかねますが、現在の腎臓の再生医学の進捗状況では、やはり、腎移植が必要と考えます。
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