NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.95


専門分野: 脳・神経・脊髄

Q: 脊髄損傷への再生医療

 先日テレビで再生医療による心筋梗塞患者の治療を観ました。患者から採取した骨髄で心臓に新しい血管を作るという手術でした。細胞も筋肉も神経も再生できるそうです。出演している医師が今後、脳梗塞や脊髄損傷にも応用できると言っていましたが、本当に可能でしょうか?可能なら実施している病院を紹介してほしいです。知人が麻酔の時の医療ミスによる胸髄損傷で下半身不随です。

掲載日: 2005.6.14

A:

 現在、中枢神経系の再生医療の研究対象はパーキンソン病、アルツハイマー病、脳梗塞、脊髄損傷などが中心のようです。神経細胞の元となる神経幹細胞を移植すると、神経細胞に分化し、それぞれの細胞の間にネットワークを構築することが実験的にもわかってきたため、臨床応用が期待されています。しかし、これまでの成績はシャーレの上や動物実験でのものです。細胞の安全性、安定性、有効性が証明されなければ、臨床応用はできません。したがって、中枢神経系の再生を実際におこなっている施設はわが国ではありません。しかし、一旦臨床応用が安全かつ効果的であることが判明したら、対象となる患者さまが多いので、かなりのスピードで広まっていく分野ではないかと思います。
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