NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.107


専門分野: 眼

Q: 錐体ジストロフィの再生治療について

 63歳の男性です。家族に難病である眼病の「錐体ジストロフィ」を患っているものがいます。お医者様は「私の手におえる病気ではない」とおっしゃられ現在ビタミン剤のみを服用しております。ただ加えておっしゃるには「現在再生医療の分野で研究が進められているようだ」とのことでした。
つきましては恐れ入りますがこの病気の治療に関する再生医療の進捗状況をお教えいただければ幸いに存じます。

掲載日: 2006.8.30

A:

 錐体ジストロフィは遺伝子が原因の疾患で、残念ながら現在の医療では治すことや進行をとめることができません。網膜の再生医療の研究は少しずつ進んでいますが、錐体は網膜の中心で最も繊細な部分(黄斑)にあるため、再生医療での治療はまだまだ難しいと考えられます。錐体細胞を再生させることができても、よい視力を出すためには非常に緻密な配列、シナプスの形成が必要だからです。以上の理由からむしろ遺伝子治療の方が適しているのではないかと思います。遺伝子治療も研究が進んできていますので、将来は治療可能となるかもしれないという状態です。錐体ジストロフィは周辺部の網膜は正常ですので、字の読み書きなど不自由なところは様々な補助具を使うなどの工夫をしていただいて読み書きをあきらめない、残った視機能をできるだけ有効に使うということが治療法のない現状では重要と思われます。
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