NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.371


専門分野: 脳・神経・脊髄

Q: 緊急の脳梗塞の再生医療

 土曜日11時ごろ脳梗塞で倒れ右半身不自由になりうごけず20時15分頃発見され、救急車で21時に病院にはこばればした。
当日のMRIでは5cmほど小脳に白い影があり梗塞になっているとのことでした。
翌日のCT検査で出血していることがわかり、脳を保護する薬は使用したものの、血栓を溶かす等の薬はつかえないとのことです。
CT検査では、小脳だけでなく中脳まで梗塞が及んでいるとのことで、後遺症が残る可能性が高いとのことでした。
病状の程度的には、5段階にわけるとすれば、悪い方から2つめぐらいの状態とのことです。
後遺症が残らない様にしてあげたいのです。
急性期(発症から2週間以内でしょうか)でないと、再生医療を受けられないという事ですが、東京の病院で可能なところはあるでしょうか?
札幌医科大学、国際循環器病センター(大阪)とも遠いので、東京でさがしています。
慶応大学病院で、再生医療の研究がされているとのことでしたが、治療の実施は可能なのでしょうか?
御紹介いただければ幸いです。
現在さいたま市の病院ですが、移動のタイミングはどの時期がよいのでしょうか?

掲載日: 2009.4.11

A:

 ご相談の内容から回答を急ぐと思いましたので、取り急ぎ回答させていただきます。2009年4月現在では、実際に脳梗塞に対する細胞治療が行える可能性があるのは(治療を実施していても、患者さんの病状などによって適応が制限される場合があります)、札幌医大だけのようです。
実際に細胞治療を行っている専門家によると、新たに幹細胞を用いた治療を行う場合には厚生労働省「ヒト幹細胞臨床研究審査会」の承認が必要ですが、安全性や有効性についてのチェックがかなり厳しいようで、今まで行っていなかった施設で新規に治療を始めるのは簡単ではないようです。
国立循環器病センターではこれまで実施例がありませんでしたが、2009年5月から重症心原性脳梗塞に対する治療が開始されるとのことです。
したがいまして、残念ながら、今のところ関東周辺では脳梗塞に対する細胞治療は受けていただくことができないと思います。
また、治療時期については、用いる細胞や目指す治療効果によっても異なると思いますが、骨髄から分離した細胞(単核球)を用いる場合、おおむね発症14日後までに行わないと効果が無いとのことでした。
脳梗塞に対する細胞治療が実施できる施設は今のところ2施設です。
ここで得られた治療結果によってこの治療法の有効性が確認され、近い将来、より多くの施設で実施できるようになることを祈念して止みません。
相談者からいただいた事後の情報
その1
札幌医科大学の場合、3つの条件をみたせば再生医療をうけられる可能性があるとのことでした。
1)20歳〜75歳
2)発症後から3週間以内
3)札幌近郊に住んでいる (何か起きた場合すぐ病院にこれる)
札幌近郊に住んでいないため、厳しい状況です。
飛行機で搬送するにしても、医者がつきっきりで移動、飛行機は気圧の関係で体に対して負担な様です。
車(救急車)で青森まで10時間かけて行き、そこからカーフェリーで札幌まで数時間、合計20時間近くかけていくのは今の病状では無理だろうとのことでした。
東京および札幌のほかの医者にセカンドオピニオンで話を聞きに行く等検討中です。
再生医療の話ができる東京近郊の病院はなかなか無い様です。
(慶応大学病院では実際に人にたいしてやっていないのでその話はできないとのことでした。)
その2
昨夜札幌医科大学にセカンドオピニオンを申し込みしました。
その後、札幌医大の先生から電話が有りました。
話をしたところ、脳梗塞の再生医療については、大脳の部位のみが対象でこの部分だけ許可されているとのことです。
小脳および中脳については、現時点では再生医療の対象ではなく、前例もなく、許可も実験もされていないとのことです。
よって札幌に行く話しはなくなりました。
また別に、慶応大学のセカンドオピニオンについても申し込みをしていて、面接指定日の連絡まちです。
かなり重症なので、しばらくは毎日見まいに行き、状況注視、よくなれば、効果的なリハビリ施設を探そうとおもっています。
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