NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.380


専門分野: 骨・軟骨

Q: 膝関節軟骨再生の専門医

 一年前にバイク事故により、左脛骨高原開放骨折と診断され手術・治療しましたが、術後から激しい左膝関節部痛に悩まされています。担当医に相談したところ、考えられる痛みの原因として関節軟骨が痛んでいること、筋肉萎縮、プレート、粉砕した骨よる痛みとのことでした。リハビリの経過を見ながら原因を探り、対応を決めていくとのことですが、激痛によりリハビリもうまく進んでいません。現在はサポーターをしたり、杖を持って歩いていますが、自身で歩くのは部屋の中で数mといったところです。
サポーター、杖を持った状態でも痛みにより右に重心が傾斜していたり、リハビリ師にもO脚になっていることを指摘されています。リハビリのためにも痛みの軽減が最良ではないかと思っていたところ、知人から軟骨再生の情報をお聞きしました。自分自身で調べてはみましたが、軟骨再生医療が進んでいってる過程であるとはわかりましたが、軟骨再生に関しても様々な方法があるようですし、情報が膨大で何から手をつけていいのかわかりません。
膝関節軟骨が痛んでいるため、将来的にも歩行障害などの後遺症障害が十分考えらると言われています。骨盤移植や人工関節のお話もありますが、年齢的に時期尚早だったり、10年もたないと聞かされています。どれを選択するにしても足に入っているプレート・ボルトを摘出する目安が1年後になり、その後、日常生活をしていく過程で痛みの原因を探り、治療方法を決定していくと言われています。
自分自身の軟骨を再生できれば、再度10年毎に人工関節手術を受ける必要もなく、関節の痛みがなくなり課題である筋肉強化、リバビリにも良い影響が出て、普通に歩けるようになるのではないかと考えるようになりました。
担当医に相談したところ、一度、軟骨再生の治療を行っている専門医で診察を受けてみた方がよいと言われ、その際は紹介状も書いていただけるようでした。
前述したように情報が膨大でどこに相談すればいいのか悩んでいます。どちらに相談することが良いのか教えていただければ幸いと思っております。宜しくお願い致します。

掲載日: 2009.8.13

A:

 頸骨高原開放骨折の治療を受けられた後も痛みが続くいているとのこと、お見舞い申し上げます。ご指摘のように、痛みの原因は色々考えられますが、いずれにしても、軟骨のほか、関節面の形状や半月板、靭帯やその他の周囲組織を含めて、膝関節の状態が良くないものと推察されます。逆の言い方をすれば、痛みの原因と思われる異常を特定できていない段階で、軟骨の治療だけを目指すのは得策ではないかもしれません。
私どもの知る限りで、膝関節の治療に積極的に取り組んでおられるお一人は、広島大学整形外科の越智光夫教授です(http://home.hiroshima-u.ac.jp/seikei/およびhttp://www.hiroshima-u.ac.jp/hosp/seikeigeka/index.html)。越智先生は、自家培養軟骨移植を推進しておられる軟骨再生医療のリーダーでもあります。少し前の話になりますが、当NPOの講演会で越智先生がお話になられた際2004年、第7回講演会、京都市)にも、講演の後で、遠方から参加された患者さんと実際の治療について相談されているお姿を拝見しました。地域的に受診が難しいかも知れませんが、親身になって治療に当たって頂ける良い先生だと存じます。
一般的に、病気やその治療法についてインターネットで検索すると、情報が膨大すぎてかえって役に立たない場合があるのはご指摘の通りと思います。今回のご相談の場合、「軟骨の再生医療」だけではなく、膝関節の外傷をたくさん治療している病院(検査や治療にはMRIや関節鏡などある程度の設備が必要です)を受診可能な範囲で選んでいただき、担当の医師から紹介していただくのが良いと思います。
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