NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.403


専門分野: 骨・軟骨

Q: 膝軟骨再生

 変形性膝関節症にかかっており、両膝内側が痛く半月板損傷しました。
将来歩けなくなるんではと心配しています。
今 どのくらい軟骨再生が進んでいるのか分かりませんが、例えば酷く広範囲で軟骨が無くなり、損傷も酷くなってしまった場合、再生医療で軟骨を再生出来るのでしょうか?
最先端の再生軟骨移植された方は普通に社会復帰できるのでしょうか?
治療費は保険が適応外でどのくらいするのでしょうか?
越智先生の注射一本で治療する技術なのですが実際あと10年くらいかかってしまうのでしょうか?
質問が多くて済みません宜しくお願いします。

掲載日: 2010.1.28

A:

 変形性膝関節症の治療について、特に軟骨損傷に対する骨軟骨移植や自家軟骨移植に関するご相談と思います。
「例えば酷く広範囲で軟骨が無くなり、損傷も酷くなってしまった場合、再生医療で軟骨を再生出来るのでしょうか?」
今のところ、あまり広範囲の治療は困難とされています。年齢や症状にお応じて、骨切り術や人工関節の適応を考慮していただくことになると思います。
「最先端の再生軟骨移植された方は普通に社会復帰できるのでしょうか?」
どのような治療を行うにしても、治療の目標は普通に社会復帰していただくことです。
治療費は保険が適応外でどのくらいするのでしょうか?
現在、骨軟骨移植術は保健適応です。自家培養軟骨移植は、今のところ一部の施設で臨床研究として行われていますが、この治療法(患者さんから採取した少量の軟骨を医師から受け取り、培養・増殖させたものを医師に返して患者さんに移植してもらう)の事業化を目指している株式会社ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングでは、一定の治験症例数に達した後、昨年夏に製造販売承認申請を厚生労働省に提出しており、これが承認されれば、保健収載されることが期待されます。なお、臨床研究の経費は研究を行う側(医師・医療施設・製薬会社など)が負担するのが基本です。実際の費用がどの程度になるかは、実施している施設にお問い合わせください。
「越智先生の注射一本で治療する技術なのですが実際あと10年くらいかかってしまうのでしょうか?」
これは細胞の関節内移植のことかと思います。今のところ、どのような細胞を注入するのが有効か、注入した細胞を希望する部位に移動させるのがどの程度可能か、など、確認しなければならないことがかなり残っているようですから、実現(臨床応用)までにはなお時間が必要と思われます。また、培養軟骨の移植などすでにかなり有効な治療法がありますから、これに対する優位性があるかどうかも問題になると思われます。
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