NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.484


専門分野: 眼

Q: 緑内障の再生医療について

 私の87歳になる母親が緑内障の為、眼圧を下げる手術を受け、その後 目薬を使っていますが、あまり効果がなく左目が失明状態です。(右目も失明状態です)
多少、姿かたちが見える位でも、再生医療で治療する事はむずかしいのでしょうか?
また、緑内障の再生医療に力を入れている病院がありましたら、教えて頂きたいのですが?

掲載日: 2012.5.26

A:

  残念ながら緑内障に対する再生医療は確立されておりませんので、これに力を入れている病院はありません。緑内障は、網膜に存在して光を感じる細胞(視細胞)から脳への信号を仲介する神経節細胞が変性して視野が失われる病気とされています。網膜は中枢神経(脳や脊髄が含まれます)の一部ですから、網膜の細胞を再生されて視力を回復する再生医療ということになると、脳や脊髄を再生させるのと同じぐらい難しいということになります。ただし、独立行政法人理化学研究所、発生・再生科学総合研究センター、器官発生研究グループのグループディレクターである笹井 芳樹先生のところでは、マウスのES細胞から神経節細胞を含む網膜の全ての細胞からなる組織を分化させることに成功して昨年報告しています。(少し難しい内容かもしれませんが、これを紹介する理研のページは
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2011/110407/detail.htmlです。)
このような細胞がヒトのES細胞やiPS細胞から作れるようになれば、緑内障による視覚障害を治療する再生医療となるものと期待されます。
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