NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.564


専門分野:その他

IPS細胞での交感神経生成について

私はETS手術を行っており代償性発汗に悩まされています。
IPS細胞では切除した交感神経を復元することは可能なのでしょうか。
また現在研究などは進んでいるのでしょうか。

掲載日: 2015.8.07

A:

ES細胞(従って、原理的にはiPS細胞でも可)から交感神経細胞への分化誘導は、さかんに研究されているとは言えませんが、これを報告した論文はあります(PLoS One. May 10;8(5):e64454、2013.)。ただし、この研究の目的は交感神経幹の再生ではなくて、神経芽細胞腫という同系統の細胞から発生する腫瘍の研究用とのことです。パーキンソン病の治療では今にも臨床に使えそうな神経細胞が作れるようになっていますので、交感神経細胞も作れるようになるとは思いますが、治療に使うとなると、どのように移植するのが効果的なのかなど、かなりの時間をかけて基礎的な研究を行う必要があります。代償性発汗の研究が盛んになれば、iPS細胞からの交感神経細胞分化とこれを用いた代償性発汗の治療、という研究課題は非常に重要なテーマになるものと思われます。
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