NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.590


専門分野:その他

札幌医科大学再生医療について緊急お願い致します

札幌医科大学は遂に脊髄損傷にて臨床試験が終了しました!この治療は厚生労働省の先がけ認可制度の指定となっていますが、先がけ認可制度とは早期認可制度と同じ主旨の内容なのですか?それとも全然違う別の制度なのですか?もし認可されれば全国のどこの病院でも治療を受けられるのでしょうか?それとも最初の数年は札幌医科大学病院迄行く必要性がありますか?よろしくお願い致します

掲載日: 2016.12.25

A:

先駆け審査指定制度」 については、以下のURLでその趣旨等が確認できます。 http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/topics/tp150514-01.html また、この制度が適応された治療法(医療機器と再生医療等製品)は、以下のURLで公表されています。http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000111934.html  これらによりますと、「先駆け審査」というのは、最先端の治療法を最も早く提供できるようにすることを目指して、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)や厚生労働省の関係部局の連携を強化したり、特別な相談制度を活用するなどして、その審査期間を6ヶ月まで短縮する事を目指した制度、とされています。従って、この制度の対象となるのは、再生医療等製品だけではなく、医療機器や医薬品も含まれることになります。
 一方、「早期承認制度」というのは、改正された薬事法(「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律」)の中で新たに定義された「再生医療等製品」に対して行われる制度で、再生医療等製品の特性(細胞を含むので製剤がどれでも同じとは必ずしも言えず、医薬品のような従来型の治験に適さない)に鑑みて、有効性が推定され、安全性が認められれば、特別に早期に、条件及び期限を付して製造販売承認を与えることを可能にするものです。
 いずれの制度も、新しい治療手段をより迅速に提供できるようにしようという趣旨で設けられた点は共通していますが、制度上は別のものだと思います。ただ、どちらの制度でも最終的に与えられるのはPMDAによる「製造販売承認」であることは同じです。
 さて、「認可されれば全国どこの病院でも治療を受けられるか?」という点ですが、自費診療を容認する医師法の観点からいえば、製品を買ってきて使う分には全国どこの医療機関でも可能、ということになるかも知れませんが、保険適応ということになると、それなりの設備と経験を有する医療機関でないと使えない可能性があります。また、一般的に考えて、保険が適応される治療法であればどんな医療機関でもその治療法を受けられるかというと、そういう訳ではなく、それを行う設備や、知識・経験を持った医療スタッフが整った施設でないと、責任を持った治療はできません。これから、新しい「再生医療等製品」が色々と承認されるようになると、今は未だ準備段階ですが、「再生医療認定医」というような資格をもった医師が責任を持って再生医療等製品を用いた治療を行う、というような制度になってゆくのではないかと思います。
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