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コラム鵜の目鷹の目
再生医療相談室 回答ページ No.672
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項 目内 容
専門分野脳・神経・脊髄
質問タイトル脊髄性筋萎縮症について
質問内容

65歳の男性です。平成29年2月に鹿児島大学にてALSの診断を受けましたが同年11月再検査の結果GARS遺伝子異常による脊髄性筋萎縮症と診断され非常に珍しい遺伝子異常と言われました。脊髄性筋萎縮症4型ではないかと思われます。

現在歩行困難両腕上がらず指は動きます。嚥下障害はありません。生活のほとんどが介護が必要です。脊髄性筋萎縮症の治療薬はスピンラザを始め今後も良い治療薬が出るみたいですがそのほとんどがSMN遺伝子異常に対する治療法でGARS遺伝子異常のSMAには効果が無いと言われました。脂肪幹細胞再生医療での効果の可能性を伺いたいのですがどうでしょうか?

掲載日2019年06月10日
回 答

筋萎縮性側索硬化症(ALS)あるいは脊髄性筋萎縮症(SMA)で困難な状況になっておられるご様子、謹んでお見舞い申し上げます。

GARS遺伝子の異常は、シャルコー・マリー・トゥース病(CMT)という四肢筋力低下や感覚障害を生ずる疾患の原因遺伝子の一つとして挙げられています。一方、脊髄性筋萎縮症の薬であるスピンラザは、この疾患の多くで原因と考えられているSMN遺伝子に対するアンチセンス核酸製剤ですから、この遺伝子に異常がある場合には効果が期待できますが、他の遺伝子異常には効果がないと思われます。

脂肪幹細胞再生医療での効果の可能性についてですが、この治療法の作用機序はほとんど解明されていません。しかし、色々な病気において障害された細胞の機能を改善したり、死んでいっている細胞を一時的にせよ延命することで、症状を軽くするのではないかと考えています。実際、今回計画している臨床研究に至る過程で、同様の治療法をALS患者さんに試みたところ、良い効果が得られたことも示されており、脊髄の運動ニューロンの障害で発症するALSやSMAには効果が期待できるのではないか、少なくともそういう場合もあるのではないか、と考えています。効果が現れる割合とか、その持続期間などについては、今のところ全く不明で、このような治療法が多くの患者さんに行われるようになるにつれて、次第に分かってくることが期待されます。

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