NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室

No.665 脳性麻痺の治療

項 目

内 容

専門分野脳・神経・脊髄
質問タイトル脳性麻痺の治療
質問内容

先日、テレビで脊髄損傷を負った方にiPSを用いた治療が出来たと言う事ですが、脳性麻痺にある方向けは臍帯を用いた治療があると聞いたのですが、あまり治療の情報を聞きません。今、現在の情報が知りたいです。これからの脳性麻痺の治療をいずれしないといけない現状に少しでも情報がほしいです。よろしくお願い致します。

掲載日2019年05月14日
回 答

大阪市立大学の小児科を中心に、新生児で低酸素性虚血性脳症になった患児に自己臍帯血から採集した幹細胞を点滴する治療法によって、脳障害の回復を図ろうという臨床研究が第2相試験開始の準備中です。他に、脳性麻痺の治療に臍帯由来の間葉系幹細胞を新生児脳性麻痺の治療に使おうという研究も行われており、新生児の脳性麻痺に対する再生医療は、着実に前へ進んでいるようです。新生児期には脳障害を修復するための特有の機構があることも示唆されていて、新生児期には再生医療が有効である可能性が高いと思われます。

一方、新生児期を過ぎた脳性麻痺による運動障害では、リハビリテーションや四肢等の変形に対する整形外科的な治療が主体となりますが、今後はこのような領域でも細胞を使った再生医療が一役買うことになるものと期待されます。