NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室

No.746 STR001について

項 目

内 容

専門分野耳・鼻・咽頭
質問タイトルSTR001について
質問内容

私は左耳に難聴を患っています。10年ほど前に罹りました。突発性難聴と診断されました。さて、スイスでSTR001が開発されてと聞き、これはいったいどの様な薬なのか、日本でも承認される可能性はあるのかというのをご教授頂けたらと思います。

掲載日2021年03月06日
回 答

STR001はPPARγという転写因子を活性化するピオグリタゾンの製剤で、それを鼓室内に投与するとともに、内服でも服用する治療のようです。ピオグリタゾンの内服は、インスリン感受性を上げるために糖尿病患者に対して行われており、それを鼓室内に投与して難聴の治療に使おうというのが新しい発想です。ピオグリタゾンが持っている抗酸化や抗炎症の作用が、鼓室内投与の動物実験で騒音による聴覚障害を軽減することが確認されたため、人にも応用されたようです。ただ、この薬の作用機序は再生医療と直接の関係はなさそうですから、これ以上の回答は控えさせていただきます。