NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室

No.747 膀胱直腸機能障害の治療

項 目

内 容

専門分野脳・神経・脊髄
質問タイトル膀胱直腸機能障害の治療
質問内容

令和2年末高所より落下し、第一腰椎の破裂骨折をしました。

骨折のほうは、金属の支柱で固定する手術を行い安定しています。

下半身麻痺になることはなかったのですが、膀胱直腸機能障害が出て、排尿排便に苦労しています。

先生からは、破裂した第一腰椎が、一瞬脊髄にあたり膀胱直腸障害が発症したのではと言われております。

このような場合、現在の再生医療で治す方法はないでしょうか。

よろしくお願い致します。

掲載日2021年03月06日
回 答

ご相談のような症状の場合、基本的に、脊髄損傷によって膀胱直腸機能障害が発症していると思いますので、脊髄損傷に対する再生医療が適応になると思います。

脊髄損傷に対する再生医療には色々あります。

大阪大学の大学病院では、自家嗅粘膜組織移植による再生医療が先進医療として行われています。また、札幌医科大学とニプロ社が開発した自家骨髄間葉系幹細胞投与や、慶應大学で行っている他家iPS細胞から分化させた神経前駆細胞を用いた治療は、臨床研究として行われています。ただ、麻痺の範囲(脊髄損傷が起こった高さにより様々です)とか、受傷後の期間など、これらに参加するための各種の条件が細かく定められていますので、ネットなどで調べてみてください。ご相談のような場合は、おそらく、これらの再生医療の条件からは外れていると思われます。

そのほかに、自己由来(皮下脂肪または骨髄液由来)の間葉系幹細胞を静脈内に投与するような再生医療が各地の医療機関で自費診療として行われています。その内容や費用は各施設によって異なりますから、各施設にお問い合わせいただくしかないと思います(ネットで概要が調べられる場合もあります)。我が国の制度上、これらの医療施設は全て厚生労働省のホームページや当NPOホームページの第二種再生医療等・治療を提供する医療施設:脊髄損傷で調べられるようになっていますので、ご活用ください。自己由来の間葉系幹細胞を使った治療は、第二種の治療の項目になります。