ネット上に報道された再生医療関連情報を拾い出し,原文から抜き出したものをコンパクトに記載。黒文字をクリックすると元情報へ。そして,一口コメントも!
2024.04.19 (new)再生医療でアルツハイマー病のアミロイドを分解できる!
アルツハイマー病では脳内にアミロイドが沈着します。この間葉系幹細胞はこのアミロイドを分解する力を持っています。Yamagishiらは、アルツハイマー病患者自身の脂肪組織由来幹細胞を培養しそこにアミロイドを分解する酵素=ネプリライシン活性があることを発見しました1。アルツハイマー病の脳ではネプリライシン活性が低下していることが報告されています。これを、患者さん自身の細胞で“再生”できれば理想的な治療に繋がると期待されます。レケンピ(レカネマブ)はアミロイドを除去する抗体薬ですが、脳浮腫や脳出血のリスクがあります。ご自身の幹細胞投与での脳浮腫、脳出血の報告はありません。(Neurosci Lett. 2024 Mar 10:825:137705. doi: 10.1016/ j.neulet.2024.137705. Epub 2024 Feb 28.)(PubMed > Shigematsu K, Komori N, Ideno M, Yamagishi H. Evaluation of neprilysin activity in adipose-derived stem cells from alzheimer's disease patients. Neuroscience Letters. 2024:137705)
2023.03.30今話題のOpenAI chatbotのChatGPTに再生医療の説明をお願いしました。次の様な説明が帰ってきました。素晴らしい回答だと思いますね。この文章をAIが日本語で,一瞬で作成しました。すごい世の中に!
「 再生医療とは、人間の体内に存在する細胞や組織を再生・修復することで、病気やけがの治療を行う医療のことを指します。具体的には、幹細胞や組織工学技術を用いて、細胞や組織を再生することができます。
再生医療は、がんや心臓病、神経変性疾患などの難治性疾患や、けがや外傷の治療に期待が持たれています。また、従来の医療では難しい臓器の再生や、細胞治療による新しい治療法の開発も進んでいます。
ただし、再生医療はまだ実用化までには多くの課題が残されており、安全性や有効性の確保、高コストなどの問題があります。今後も継続的な研究と開発が求められる分野です。」
2023.03.09 "ミューズ細胞の開発中止(三菱ケミカルグループ)"(日経新聞2023年2月14日16:25より) 【三菱ケミカルグループは2月14日、再生医療に使う「Muse(ミューズ)細胞」の開発を中止すると発表しました。最新の臨床開発状況から、事業化し収益に貢献するまでに時間がかかると判断しました。ミューズ細胞は再生医療に使う技術で、これまで急性心筋梗塞や脳梗塞など7つの疾患の治療に役立つとみて、臨床試験(治験)を進めてきました。ミューズ細胞は体のさまざまな臓器にあり、健康な人から採取した間葉系幹細胞から取り出して培養し、患者に点滴で投与すると、脳梗塞などで損傷した部位に集まり、必要とされる細胞に育って患部の修復に役立つとされています。】>(開発研究が中止されたことで再生医療の実用化が遅れる懸念が生じました。ミューズ細胞は2010年に東北大学の出沢真理教授が報告した細胞です。2001年にZukらが発見した脂肪組織由来幹細胞(Zuk PA, Zhu M, Mizuno H, et al. Multilineage cells from human adipose tissue: implications for cell-based therapies. Tissue Eng. 2001;7(2):211-28.)も様々な細胞への分化能を持ち損傷部位に集まって修復を促進することが知られています。再生医療の進展に期待したいものです)
2021.06.24(お知らせ)
2001年5月の日本再生医療学会の発足と共に、学会からは独立した組織であるNPO法人再生医療推進センターを設立し、その活動は20年間に及びました。その間、再生医療は医学的にも発展し、一般の方々にも理解が広がり、実用化の段階に達しています。NPO法人再生医療推進センターは再生医療の黎明期から現在まで一定の役割を果たしたとして発展的に解散することとなりました。事業の一環として行ってまいりました再生医療相談室と再生医療情報の提供は有志により本ホームページにて再生医療相談室として継続して参りますのでよろしくお願い申し上げます。
以下の対象疾患の分類表は厚生労働省「第二種再生医療等・治療に関する提供計画」を対象疾患別に提供医療施設を明示・分類した表にリンクします。分類名や対象疾患名をクリックすると大きな表の指定部分にジャンプします。再生医療等を受けようとする場合の参考にしてください。各施設の治療に関する詳細は表の右端の資料をクリックしてpdfファイルをダウンロードして下さい。同意説明文書をよく読み、医師からの十分な説明を受け、理解・納得した上で検討してください。
(*:対象疾患名は各施設から届け出られた疾患名を記載しております)更新日:2020年12月08日
標記報告会が報道機関等を対象に開催されましたので,以下に概要を掲載しました。
(概要)
(報道資料)NHK NEWS WEB 京都 NEWS WEB「幹細胞投与で認知症改善か」,2020.12.18
(報道資料)ABCニュース「「アルツハイマー型認知症」の治療で症状良くなった 「再生医療に使われる幹細胞が有効」と発表」,2020.12.18
認定再生医療等委員会 の承認、厚生労働省に届け出・受理を受けて行ったALS等に対する再生治療研究(自己間葉系幹細胞投与)で成果が得られたため、治療を行うことを計画し、認定再生医療等委員会 の承認を受けて厚生労働省に届けておりましたが、厚生労働省のホームページより転載(一部改変)した下表のとおり受理されました(治療を受けるにあたっては幾つかの条件と費用が必要です)。
再生医療等提供機関の名称 | 住所 | 管理者の氏名 | 再生医療等の名称 | 認定医療等委員会の名称 | 説明文書及び同意文書の様式** |
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医療法人社団恵仁会なぎ辻病院 | 京都府京都市山科区椥辻東潰5番1 | 院長桑原仁美 | アルツハイマー型認知症に対するヒト脂肪組織由来間葉系幹細胞を用いた治療 | 医療法人財団康生会武田病院特定認定再生医療等委員会 | 資料1 資料2 |
医療法人社団恵仁会なぎ辻病院 | 京都府京都市山科区椥辻東潰5番1 | 院長桑原仁美 | パーキンソン病におけるヒト自己脂肪組織由来間葉系幹細胞を用いた治療 | 医療法人財団康生会武田病院特定認定再生医療等委員会 | 資料1 資料2 |
医療法人社団恵仁会なぎ辻病院 | 京都府京都市山科区椥辻東潰5番1 | 院長桑原仁美 | 難治性神経変性疾患(筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉、脊髄小脳変性症〈SCD〉、レビー小体病〈DLB〉、進行性核上性麻痺〈PSP〉)に対するヒト自己脂肪組織由来間葉系幹細胞を用いた治療 | 医療法人財団康生会武田病院特定認定再生医療等委員会 | 資料1 資料2 |
医療法人社団恵仁会なぎ辻病院 | 京都府京都市山科区椥辻東潰5番1 | 院長桑原仁美 | 難治性呼吸器間質性疾患(肺気腫<COPDを含む>、特発性肺線維症<IPF>、間質性肺炎)に対するヒト自己脂肪組織由来間葉系幹細胞を用いた治療 | 医療法人財団康生会武田病院特定認定再生医療等委員会 | 資料1 資料2 |
(**:正式名称 ⇨ 再生医療等を受ける者に対する説明文書及び同意文書の様式)
参考情報:元気が出る再生医療 No.015「脂肪幹細胞によるアルツハイマー病の治療」
*: ALS; amyotrophic lateral sclerosis
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