ネット上に報道された再生医療関連情報を拾い出し,原文から抜き出したものをコンパクトに記載します。
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再生医療において臓器丸ごとの再生は今のところ困難であるが,移植医療の分野では臓器不足を異種移植で乗り越えようとする試みがなされている。「ヒトとブタの間の進化的な距離1億年(ハーバード大学医学部教授のンディープ・メフラ)」を乗り越えてニューヨーク大学ランゴン医療センターで遺伝子改変されたブタの腎臓(+胸腺)移植が実施され、54歳の女性は2人目の生存者となった(2024年4月12日)。ニューヨーク大学の研究チームはゲノム編集において「less is more(少ないほうがいい)」というアプローチをとり、ゲノム編集の箇所を増やす代わりにブタの胸腺を同時に移植することで免疫不適合を抑えている。ブタから腎臓を採取する2カ月前に胸腺を首から取り出し、腎臓の下に配置した。その後、胸腺は腎臓と一体化し、腎臓と一緒に移植できるようにした。臓器不足に直面する移植医療は、新たな手法で拒絶反応を防ぎ、また歩を進めた様である。(WIRDE EMILY MULLIN SCIENCE2024.04.25)
アルツハイマー病では脳内にアミロイドが沈着します。この間葉系幹細胞はこのアミロイドを分解する力を持っています。Yamagishiらは、アルツハイマー病患者自身の脂肪組織由来幹細胞を培養しそこにアミロイドを分解する酵素=ネプリライシン活性があることを発見しました1。アルツハイマー病の脳ではネプリライシン活性が低下していることが報告されています。これを、患者さん自身の細胞で“再生”できれば理想的な治療に繋がると期待されます。レケンピ(レカネマブ)はアミロイドを除去する抗体薬ですが、脳浮腫や脳出血のリスクがあります。ご自身の幹細胞投与での脳浮腫、脳出血の報告はありません。(Neurosci Lett. 2024 Mar 10:825:137705. doi: 10.1016/ j.neulet.2024.137705. Epub 2024 Feb 28.)(PubMed > Shigematsu K, Komori N, Ideno M, Yamagishi H. Evaluation of neprilysin activity in adipose-derived stem cells from alzheimer's disease patients. Neuroscience Letters. 2024:137705)
再生医療とは、人間の体内に存在する細胞や組織を再生・修復することで、病気やけがの治療を行う医療のことを指します。具体的には、幹細胞や組織工学技術を用いて、細胞や組織を再生することができます。
再生医療は、がんや心臓病、神経変性疾患などの難治性疾患や、けがや外傷の治療に期待が持たれています。また、従来の医療では難しい臓器の再生や、細胞治療による新しい治療法の開発も進んでいます。
ただし、再生医療はまだ実用化までには多くの課題が残されており、安全性や有効性の確保、高コストなどの問題があります。今後も継続的な研究と開発が求められる分野です。
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