NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.134


専門分野: 歯周

Q: 歯の再生(第三の歯)への展望

 私は歯並びが悪く、すでに抜けている歯も何本もあります。何年か前にテレビで歯の再生について取り上げておりましたのをたまたま目にしました。確か、名古屋大学と日立メディコという企業との共同だったと思います。実用化までどの位の年数がかかるのでしょうか?番組では、ねずみの実験では成功しているとのことでしたが。人でも成功すればすばらしいですよね。痴呆も最初は歯からだと思います。莫大な医療費もかからずにすみます。地域の歯医者さんで対応できれば 、向こう何十年も利益をあげることが可能です。同じ老人医療でも前向きな価値があるように私には思えます。どうぞ歯の再生について現状をお聞かせください。

掲載日: 2006.8.30

A:

 2007年アポロ計画というのは知りませんが、歯胚の再生は名古屋大学大学院教授・頭頸部感覚器外科学の上田実教授が東京大学医科学研究所に歯胚再生学研究部門という,歯の幹細胞の探索を目的とした講座を創設しましたことで。トピックとなっています。
現時点では,その幹細胞の遺伝子解析まではできていませんが,候補となる細胞をいくつか見つけ,イヌにおいてその細胞を使って歯の組織の再生に成功しています。上田教授によると、おそらく,2007年には,初めてヒトの歯での臨床応用が行なわれるとのことですが、現在はそのための動物実験データを整理,解析している段階です。
ご質問では、歯周病のため歯が一本もなくなった状態とのことですが、上田教授の方法が可能なら、歯をつくることはできます。しかし、歯周病は歯の土台となっている部分が傷んでいるため顎骨を再生しなければなりません。顎骨の再生は、今年中に臨床応用が100例ほどになる予定で,その後,一般開業医にも普及していくと思われます。歯科大学などの専門機関にご相談ください。
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