NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.212


専門分野: 脳・神経・脊髄

Q: 海外の情報について

 友人が線条体黒質変性症です。本人は再生医療の(ES細胞や幹細胞)治療を強く希望しています。日本では人に対して臨床試験は行われていないのでしょうか?
また、外国で臨床試験を行っている機関があれば情報を頂きたく宜しくお願い致します。本人の症状は最近薬が効かなくなったか、かなり悪化しているように見えます。
「このまま死にたくない、外国でもどこでも行く、実験台になりたい」と涙ながらの訴えで、叶えてあげたいのです。なにとぞ宜しくお願い申し上げます。

掲載日: 2008.11.24

A:

 お気持ちお察しします。線条体黒質変性症はパーキンソン病同様中年以降に発症し、パーキンソン病に類似した臨床症状を示す疾患です。(少し難しくなりますが)パーキンソン病がドパミン系の節前ニューロンのみの障害で受容体は保たれているので、伝達物質であるドパミンを補充すれば有効ですが、線条体黒質変性症は節後ニューロンも障害され、受容体も減少しているので、伝達物質補充しても効果がありません。パーキンソン病に対する再生医療の基本は、ドパミンを産生細胞を脳の中に移植するという方法です。線条体黒質変性症において再生する必要のある細胞は節前・節後ニューロンや受容体となり、かなり複雑になります。現在ES細胞や幹細胞を使ったパーキンソン病に対する再生の研究が進められ、臨床試験が始められようとしていますが、線条体黒質変性症はこちらが調べえた範囲では、海外も含めその計画はないようです。
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