NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.302


専門分野: 骨・軟骨

Q: 膝軟骨(半月板)再生について

 現在30代前半ですが、4〜5年前にスキーで捻挫、固定のみで回復し、その後再びスキーをしておりました。ところが、先月末のスキー中、特に激しい動きをしたわけではなかったのですが、症状が再発しました。診察とMRIを受けたところ、前十時靭帯が少し伸びており、半月板が切れているとのこと。又、半月板損傷の影響か、膝裏に腫瘍が出来ているとのこと。腫瘍摘出と半月板切除を進められていますが、まだまだスポーツに取組みたい為、出来るだけ半月版切除をしないよう治療したいと考えております。
軟骨再生には条件が限られるようですが、広島大学以外に、関東もしくは関西で再生の取組みを行っている施設はありませんでしょうか?

掲載日: 2007.3.28

A:

 ご質問の内容からは、半月板および靭帯の損傷のようですが、半月板や靭帯は軟部組織と総称されるもので、軟骨とは別ものとお考えください。半月板が損傷して、その部分が傷みの原因で、日常生活に支障があるのでしたら、切除すべきと考えます。損傷している半月板を切除しても膝関節には直接悪影響は及ぼしません。それよりも放置していることで、ご質問者のように周囲の組織に影響を及ぼすこともあります。
半月板・靭帯と軟骨とは別ものと申しましたが、骨、軟骨、腱・靭帯を幹細胞から再生させる場合、とても類似点があります。少し専門的になりますが、骨髄幹細胞などの幹細胞に増殖因子などの生理化学物質などを加え、多孔体セラミック、高分子ゲル、ゲルコート線維束などを基盤材料とし、細胞を分化増殖させます。それに、「引っ張り」、「せん断」、「静水圧」という物理的な力を加えることによって、それぞれ「骨細胞」、「軟骨細胞」、「腱・靭帯」を再生させることができるといわれています。まだまだ、研究段階で、いますぐ実用化というわけにはいきませんが、近い将来応用される可能性は決して低くないと思われます。
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