NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.474


専門分野: 脳・神経・脊髄

Q: DBS手術を受けた患者も再生医療うけられますか?

 質問させていただきます、宜しくお願いします、
私は若年性パーキンソン病患者です。37歳で発症、現在58歳の女性です。
途中、薬が限界まで増え動けなくなりましたので、9年前にDBS手術を受け
再びなんとか動けるようになりましたが、やはり根治治療ではないので・・・
再生医療を受けたいと願っておりました。

DBS手術を受けられた方は多いと思いますが、

1、普通のパーキンソン病患者のように、DBS手術を受けた患者も、再生医療を同様に受けられるのでしょうか?別に方法があるのでしょうか?
2、発症して20年になります。
DBS手術のおかげで、月から金まで午前中いっぱいリハビリ(杖で歩行40分、プール90分、体操30分)を頑張ってます、
しかしながら、DBSをOFFにしたら寝返りもうてません。
このことは、重症で再生医療(移植効果)が期待できないという事に当てはまるのでしょうか?

掲載日: 2011.9.11

A:

 DBS(パーキンソン病脳深部刺激療法)の手術は脳内に電極を留置するもので、脳自体への影響が少ない手術ですから、基本的にはこれを受けていない場合と同様な処置を受けることが可能です。パーキンソン病の病状は発症後の時間経過と共に進行しますから、治療を中断すれば本来の病状に戻って動きにくくなるのは致し方ないと思います。この病気に対する再生医療が実現した時点でどのような患者さんを治療の対象にするかはその時になってみないと分かりませんが、一般論としては、腫瘍形成や感染などの危険性が全く無い、または、万が一の場合でも適切に対応できると断言できるようになるまでは、非常に重症で他に治療法が無いような患者さんが治療の対象になる可能性が高いと思われます。もちろん、臨床応用を開始する段階では、そのような合併症の危険性は極限まで排除されていなければいけません。しかし、そのような可能性がゼロであることを事前に証明する事はできません。治療法の選択は、常に期待される効果の価値と危惧される有害事象の危険性を天秤にかける形でなされますから、重い症状が少しでも良くなる事の価値が大きければ大きいほど、より高いリスクを取ることができるということになります。より良い治療法が実現するまでは、少しでも良い状態を維持されるよう、リハビリ頑張ってください。
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