専門分野: 脳・神経・脊髄
Q: レーベル病について
私は今から約17年前に突然、急激な視力低下を起こし、近くの大学病院に入院し「視神経炎」という診断を受けました。その5年後に弟も同様の症状で入院し精査した結果、「レーベル病」という診断が下りました。遺伝子レベルの疾病で視神経の萎縮?視神経の炎症?による視覚障害と説明を受けています。現時点で有効な治療法がないと言われたため、現在は通院や治療は行っていません。視神経の再生や移植ができればこのレーベル病の治療も確立されるのではと願っています。そうすれば視力を取り戻すことができ、昔のように何不自由なく字の読み書きやスポーツ、車の運転など普通の社会生活が送れるのではないかと期待しています。どうぞよろしくお願いいたします。
掲載日: 2012.5.26
A:
従来は、「視神経は中枢神経であり末梢神経のような再生はないとされる。(公益財団法人難病医学研究財団が提供するインターネットページ「難病センター」の記載より)」とされ、確かに今のところはこの言い方を突破する具体的な方法はえられていません。ただし、今の再生医療研究は、「中枢神経も再生する場合がある。」という研究結果に立脚して鋭意研究を続けております。また、iPS細胞ができて以来、特別な患者さん(例えばパーキンソン病)の細胞からiPS細胞を作製し、それを、その患者さんが困っている病気の細胞(パーキンソン病であればドーパミン産生神経細胞)に分化させてその病気のモデル細胞とし、これに多様な物質を作用させることでその病気に効く薬剤を探す、というような研究も多くの施設で試みられています。このような研究の延長線上に、ご相談にあるような視神経の病気が発生する仕組みの解明や、それに効く薬剤の発見があることが期待されます。
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