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コラム鵜の目鷹の目
再生医療相談室 回答ページ No.661
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項 目内 容
専門分野脳・神経・脊髄
質問タイトル視神経の再生医療について
質問内容

脳腫瘍によって視神経が圧迫され、全盲となりました。

再生医療だけが回復の糸口と思われますが、現在どこまで研究が進み、治療を受けられるようになるにはどのくらいの年数を予測されますでしょうか。

掲載日2019年05月14日
回 答

視神経は網膜神経節細胞の神経突起が束になったもので、目から脳へ信号を伝える役割があります。東北大学の中澤徹教授や理化学研究所の高橋政代先生らの共同研究グループでは、iPS細胞から成熟の進行した立体網膜組織を作成し、これから網膜神経節細胞を取り出すことに成功しています(Invest Ophthalmol Vis Sci. 2018 Feb 1; 59(2): 776-787.)。この細胞は、成人の失明原因で最も多い緑内障で冒される細胞なのですが、iPS細胞からこのような細胞が得られたことにより、目の病気の病態解明が進み、細胞移植による治療の可能性が出てきたと思われます。ただ、このような細胞をどのように使えば実際に視力が回復するかについてはこれからの研究が必要で、一朝一夕に治療に結びつくと考えるのは難しいと思います。治療ができるようになる年数は、今後の研究にかける予算や、研究者の熱意、能力など色々な要素によって変わると思います。ただ、2〜3年では難しく、10年後であれば可能性がある、というような幅の広い予想は可能かもしれません。

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