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コラム鵜の目鷹の目
再生医療相談室 回答ページ No.669
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専門分野
質問タイトルAZOOLについて
質問内容

大切な人が アズールだと診断されました。視野欠損の症状を訴えてから1ヶ月以内に診断して頂いたので、比較的早く病名も分かり、治療としてステロイド剤も服用しました。現在のところ、変化はありません。

症状が出る原因は分からず、確立された治療方法も現在ない状況だとお聞きしました。なので今後は、経過観察をするしかありません。

2007年の質問で視細胞の研究が進めば、治療も可能になるだろうとお答えされていたかと思います。現在の視細胞の研究はどのぐらい進んでいるのでしょうか。

掲載日2019年05月18日
回 答

急性帯状潜在性網膜外層症(acute zonal occult outer retinopathy:AZOOR)に関するご相談です。

日本眼科学会雑誌に、本年4月10日に、この病気の診断ガイドラインが発表されています(厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業網膜脈絡膜・視神経萎縮症に関する 調査研究班 AZOOR の診断ガイドライン作成ワーキンググループ.急性帯状潜在性網膜外層症(AZOOR)の診断ガイドライン. 日眼会誌 123(4): 443-449, 2019.)。網膜外層には視細胞が存在し、この病気ではこの部位が主として障害されると考えられています。

視細胞の研究ですが、ES細胞やiPS細胞から立体網膜組織を分化させることができるようになっており、このような組織の移植によって、マウスでは、光が見えるようになっていることが示されています(Akiba R, et al. Quantitative and Qualitative Evaluation of Photoreceptor Synapses in Developing, Degenerating and Regenerating Retinas. Front Cell Neurosci. 13:16, 2019.)。また、ヒトiPS細胞から分化させた網膜組織をラットやサルに移植した論文も発表されています(Tu HY, et al. Medium- to long-term survival and functional examination of human iPSC-derived retinas in rat and primate models of retinal degeneration. EBioMedicine. 39: 562-574, 2019.)。このような報告を見ると、ヒトの網膜変性疾患が治療の対象になる日も、それほど先のことではないのではないかと期待されます。

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