項 目 | 内 容 |
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専門分野 | 脳・神経・脊髄 |
質問タイトル | シャント不全による低酸素脳症 その後 |
質問内容 |
以前も質問させて頂いたのですが、低酸素脳症に対する再生医療についてです。 1年前に質問させていただきました。 その後の状態が少し変わりましたので再度質問させて頂きます。 現在息子の状態は脳死判断からは脱しましたが脳幹に致命的なダメージを受けた事は変わらず呼吸器を使っての生活となっています。 色々調べたところデューク大学では兄弟間の臍帯血を使っての治験をしたり、日本でも新生児対応でMUSE細胞を使っての治験など色々な所で研究が進められているのが分かりました。 ただどの治験を見ても呼吸器を使用していると治験の対象外になるようで、やはり今後も呼吸器が付いている限り新しい治療を受けることは出来ないのでしょうか。 また、MUSE細胞や臍帯血などを使った治療は治験以外では受けることは出来ないのでしょうか。 |
掲載日 | 2020年09月15日 |
回 答 |
人工呼吸を行なっているから再生医療の対象とならない、というのは変だと思います。Muse細胞や臍帯血を使って実際に治療を行っている医療機関があるのであれば、そこの担当者にご確認ください。治療の有効性を確認しにくい患者さんの治療は敬遠したいと思うことは理解できますが、だからと言って治療しないというのはおかしいと思います。ただし、治験の場合は条件が厳しく設定されていて、それに合わない場合は参加できません。これは、統計学的に有意な結果が必要とされる場合になっては止むを得ない設定かと思います。 Muse細胞は企業が開発を進めていますので、治験以外の治療は難しいと思いますが、名古屋大学で新生児低酸素性虚血性脳症に対する単回投与時の安全性と忍溶性を評価する治験が始まっていると思います。臍帯血を用いた治療ですが、本人の臍帯血が凍結保存されている状況であれば、それを使うことは難しいことでは無いと思います。ただ、他人の臍帯血を使うとなると、我が国の再生医療の枠組みでは、再生医療を行うための制度に則って行わなければいけませんから、しかるべき倫理委員会での審査と厚生労働省への提供計画の提出、さらに、他人の細胞になりますから(第1種再生医療)、厚生科学審議会の認定・厚生労働大臣の認可が必要となります。これは、提供者が患者さんの兄弟・姉妹の場合でも同様で、現在のところ、このような治療法の認可を受けている医療機関は無いと思われます。 |
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