項 目 | 内 容 |
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専門分野 | 耳・鼻・咽頭 |
質問タイトル | 喉頭壊死 |
質問内容 |
私の父が約3年前に受けた喉頭がんの放射線治療の副作用で喉の機能が壊死し、気管切開をして胃ろうも作り、ずっと入院したままです。喋ることも口から食べることもできません。 似たような相談内容と回答を拝見しましたが、今現在、喉の壊死した機能を再生することは可能でしょうか?また、可能な場合はどこに相談すればよいでしょうか? |
掲載日 | 2021年07月06日 |
回 答 |
喉頭壊死というのは、放射線治療に伴う晩期合併症の一種で、喉頭の粘膜や皮膚、軟骨などが血流障害に陥って壊死する疾患です。従って、治療法としては、高酸素で組織を破壊されないようにするとか、プロスタグランジンI2とかE1の製剤で血管を拡張するとかが主体となります。 元々、喉頭がんに対する放射線治療は機能を温存する(喉頭は声帯を含む部位で声を出すところですから声を失わないようにする)治療法ですが、放射線治療を受けた患者さんの数%は喉頭壊死の状態に陥って、喉頭の機能を失ってしまいます。なお、放射線治療の晩期合併症の中に分類されますが、発症は比較的早い(数か月から1・2年)場合が多いと言われています。 治療法としては、せっかく声を失わないために選んだ放射線治療ですが、壊死してしまって使い物になりませんから、喉頭全摘出術を行って声を失ってしまいますが、再建がうまくいけば、気管切開や胃ろうは閉鎖できるようになると思います。現在、喉頭壊死自体を治療して機能も発揮させよう(声がでるようにしよう)という治療法は、原因が放射線治療であるだけに(壊死以外の場合、形態と基本的な機能は残りますが、照射部位の再生力は弱く、傷は治りにくい場合が多いです)、実際上は難しいと考えた方がよいと思います。 治療を担当しておられる先生方(特に治療をしていただける耳鼻科の医師)とよく相談して、治療の方法をお考えいただくのがよいと思います。 |
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