専門分野: 脳・神経・脊髄
Q: 脳細胞の移植
遷延性意識障害になって、十年近くなるのですが、近い将来に臨床で脳細胞の移植は実現出来るでしょうか?
掲載日: 2005.6.14
A:
現在第一線の専門家のご意見を掲載いたします。 細胞を脳内に移植して神経疾患を治療する研究は、主にパーキンソン病や脳虚血などを対象に行われています。遷延性意識障害に関しては、その原因が何かによって病態が異なり、治療としては、現在は、リハビリ(音楽を聴かせたり、屋外でいろいろなものを見せることを含む)くらいしかよいものがありません。脳細胞の移植では、今のところ神経伝達物質や神経栄養因子といったものを脳内に供給するくらいのことしかできませんので、遷延性意識障害のように、かなり脳が広範囲にわたって障害されている場合、治療としての手段にはなかなかなりにくいと思います。
|