NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.5


専門分野: 脳・神経・脊髄

Q: パーキンソン病の臨床への見通し

 パーキンソン病について臨床への応用が、現在はどの段階にあり、日本において臨床に使われるには、いつごろか具体的に、教えて下さい。また、米国では、すでに再生医療で治療がはじまっているとききますが、情報があったら、教えて下さい。

掲載日: 2005.6.14

A:

 パーキンソン病に対する細胞移植としては、米国およびヨーロッパなどで、死亡したヒトの胎児のドパミン産生細胞を移植することがすでに臨床応用されています。最近、この治療法の二重盲検が発表されましたが、一部の患者に効果がみられたものの、全体としてはあまり効果は見られませんでした。日本では、胎児の細胞をそのまま移植することは行われていません。日本では、今後は、よく話題になっている、ES細胞や神経幹細胞を使った細胞移植の研究がますます盛んになることは間違いありませんが、実際にヒトの患者さんに移植が行われるのは、早くても5年くらい先ではないでしょうか。この研究は大変先端的なものなので、もしうまくいくとしても、そんなにどんどん行われることはなく、慎重に一例一例検討しながらすすんで行くものと思われます。その点、新しい薬が開発されると、多くの患者さんに使われるようになるのとは、全く状況は違うと思います。
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