NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.123


専門分野: 肺

Q: 肺の再生医療の今後について

 池原進(関西医科大学病理学第一講座)教授の研究でさまざまな細胞に分化する可能性が指摘される「間葉系幹細胞」の移植で肺気腫で壊れた肺の細胞がほぼ正常な形に回復する。
という結果がマウスまで成功していると聞きましたが、この技術を人間に応用できるのは「いつ頃でしょうか?」人の肺の細胞は大人になってしまうと、肝臓みたいに再生できないようですが、どこの技術があれば肺胞などの損傷が回復し、元の肺の状態になるのでしょうか?もしくは肺自体が再生できる様になるのはいつ頃でしょうか?

掲載日: 2006.8.30

A:

 ご質問の件に対し、池原先生に直接意見を伺いましたので、ご報告いたします。
「間葉系幹細胞」を移植することによって、肺気腫で壊れた肺の細胞がほぼ正常な形に回復するという実験は、先天性に肺気腫になる特別なマウスでおこなわれたものです。
ヒトの肺気腫の場合、ほとんどの患者さまは喫煙者です。
したがって、今回の実験結果がヒトの肺気腫の治療につながるかどうかはわからないとのことでした。
この点に関して、現在マウスに喫煙させて、間葉系幹細胞移植をおこなう実験もされているようで、結果が出ればその効果について、言及することができるかもしれないとも言われていました。
一方、肺線維症とリウマチを患っている患者さまに、別の目的で幹細胞移植をおこなったところ、肺線維症とリウマチの両方とも改善したとも言っておられました。
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