専門分野: 歯周
Q: 再生医療についての治療を考えております
昭和59年に悪性リンパ腫の治療の為、放射線を必要以上に当ててしまい、骨が壊死してしまいました。その後は、顔が腫れて頬に傷が入り膿が出続けたり、頭痛や難聴にも悩まされてきました。 20年が過ぎ現在はだいぶ落ち着いてきましたが、頬・あご・鼻とのどの間の骨がなくなってしまいました。食事に関しては流動食を続けており、最近は差し歯の基の骨もなくなっているようで、今後歯の治療も困難な状態です。再生医療の専門的な観点より治療のアドバイスを戴けましたらとメールいたしました。また、再生治療には幹細胞というものが有効的だとTV番組にて拝見いたしました。この春、娘が子供を生みますので、その子の臍帯血を祖母として元気に孫の世話をしていく為にも、利用できるものでしたら、ぜひ臍帯血利用についてもお返事いただけたら嬉しいです。どうぞよろしくお願い致します。
掲載日: 2006.8.30
A:
1.顎の骨の欠損に対する治療法 骨の欠損の詳しい状況が分かりませんが、メールから推察しますと上顎骨が放射線性の骨髄炎、骨壊死により腐骨化し大きく欠損したもののようです。 (下顎も含まれ、開口障害もあるかもしれません)。このような場合は、皮膚や筋肉も瘢痕化し、血行も良くないので、現在の骨髄細胞を用いた骨再生治療が適用しにくい環境になっていると考えます。 もし外科的な治療をするならば、皮膚や筋肉、血管、骨を含めた複合的な顎の再建がベターと考えます。このような治療は頭頚部外科(または口腔外科)と形成外科のある大きな病院で行われております。 2.臍帯血幹細胞の応用について 臍帯血幹細胞を用いての骨の再生についてはまだ、研究段階で、残念ながら臨床的なことは即答できません。 放射線治療による骨壊死は経過が大変に長く、その間、患者さんにの苦しみも多く、お気の毒です。現在のところ、1の末尾に挙げる方法が現在のところ最も良いように思われます。
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