NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.164


専門分野: 筋肉・軟部組織

Q: 食道再生・唾液腺再生について

 昨年2月に咽頭癌のため放射線治療を受けました。腫瘍は消えましたが、食道入口狭窄と唾液腺障害のため、食べることが出来ず胃ろうを造設して栄養を摂っています。唾液が出なくなった為、会話することも困難であり、口の中がいつも粘りついていてとても不快です。過去の記事を読み、食道再生の研究がされていることを知りました。私の場合、食道拡張術がかなり困難とされ、食道再建という大掛かりなものになるようです。それも、声を失う可能性があり、確実に食べ物を飲み込める保証もありません。また、放射線治療後の為縫合不全の可能性もあり、腫瘍が消えた場合簡単には手術は出来ないようです。結局何も出来ないのです。食べることが出来ないことは、本当に辛いことであり、生きる気力を失わせるほどです。2つの障害を解決してくれる研究が取り組まれていることを期待します。情報をお待ちしています。

掲載日: 2006.8.30

A:

 病状お察しします。以前にもお答えしましたが、不自由なく飲み込める、食べることができるという機能を再生するのは、まだ困難なようです。また、唾液腺障害に関しては、動物実験ですが、組織幹細胞に富んだ分画として知られるside population 細胞を、唾液腺のひとつである顎下腺に移入することによって唾液分泌量が増加したとの報告があります。まだまだ研究段階ですが、今後の成果に期待したいものです。放射線治療後のこのような障害に対しては、再生医療の重要な対象となってくることには間違いないと思われます。新しい情報がありましたら、再度回答させていただきます。
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