専門分野: 眼
Q: 動眼神経の再生について
父(56歳)が頭蓋咽頭腫の疑いで手術を行いました。
術後の説明では、「腫瘍の出血量が多いため、頭蓋咽頭腫ではなく髄膜腫ではないか。その際神経のようなものが腫瘍の中心にあり、まさか、腫瘍の中に神経があるわけはない、腫瘍の錯綜物であろうと思い腫瘍摘出の障害物となっていたので切断した。」と報告がありました。
術後２週間たっても父の目は開かず、病理診断の結果、髄膜腫ではなく動眼神経にできた神経鞘腫ということがわかりました。手術中に切断してしまった動眼神経をつなぎ、再生させる可能性があれば教えていただきたいのです。
よろしくお願いします。
掲載日: 2008.11.24
A:
お答えが遅くなり申し訳ありません。
お父様の術後の経過、及び、目の状態についていろいろと神経をお使いの日々をお過ごしのこととお察し申し上げます。具体的な病状や術後経過、治療法、今後の治療方針や今後の経過の予測等につきましては、主治医の先生からお話を聞いておられると思います。動眼神経の再生について専門家にお聞きいたしましたところ、神経の再生をめざす再生医療の研究はかなり進み、新しい研究成果が得られつつあるものの、現状では、臨床応用の実現に至るまでにはまだ時間がかかりそうだ、とのことです。
再生医療の研究では、ブレークスルーがなされ画期的な発見が行われた場合には、思いもよらぬ速さで臨床応用が実現する可能性がありますし、実際に再生医療の種々の分野で、私たちが以前想定していた以上の速さで臨床応用が進んでいるのも厳然たる事実です。目の神経に対する再生医療の分野においても、そう遠くない将来において、画期的な再生医療の開発・実用化が行われるであろうと考えられますし、私たちも期待しています。
|
