NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.229


専門分野: 骨・軟骨

Q: 変形性膝関節症

 現在55歳です。15歳の時膝関節が何かのおりに外れそうになる異変に気付きました。19歳で完全にはずれ半月板損傷で1ヶ月入院治療。以後何度か外れても自分で入れれるようになり整骨院で痛み止め治療を受けてきました。それで別段不便も感じずいたのですが、この4月に駅までの10分間が痛くて歩行困難に。整形外科で診察を受け、変形性膝関節症・変形性股間節症といわれました。予防体操・体重を落とすよう指導を受け、体操もし体重も落としましたが、この先自分の足でずっと歩きたい・子供に迷惑を掛けたくないと何とかしなければと思っていた矢先軟骨再生が出きると聞きました。色々教えてください。

掲載日: 2008.11.24

A:

 軟骨の再生に関しては、これまでも多くの質問をいただき、回答してきましたように、実際に医療の現場に応用されているのは、膝関節のみです。歩行には影響しない部分の自分自身の軟骨を取り出し、体外で増やし、歩行障害の原因となっている部分に移植する方法です。したがって、傷んでいる軟骨が大きいと不可能です。詳しくは日本再生医療学会の機関紙である「再生医療」(メディカルレビュー社)Vol.4 No.4 p26〜31をご覧下さい。
2007/3/12掲載
膝関節軟骨の再生は、広島大病院整形外科の越智光夫教授のグループが、これまでに100例以上に実施しています。本人の軟骨細胞を溶液中で培養していましたが、液体をそのまま欠損部に注入したため漏れや偏りがあったとのことです。しかし、ゲルを使って立体的に培養する新しい方法も開発され、広島大病院で先進医療の適用を検討しています。
さらに、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC、愛知県蒲郡市)は、越智教授から技術移転を受け、2004年から、北海道大など全国5施設で数10例の臨床治験を行いました。患者の軟骨細胞の培養に、より培養能力の高い外来の成長因子を使用し、自己血清では十分な細胞増殖が見込めない高齢者に多い変形性関節症にも対象を広げました。同社研究開発部の菅原桂マネジャーは「患者の経過は今のところ良好です」と話しています。治験の申し込みは既に終了しましたが、年内に製造販売承認を国に申請し、2007年度の実用化を目指しています。
ご質問の方の軟骨損傷の程度はわかりませんが、実用化までもう少しですので、期待してお待ちください。
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