NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.263


専門分野: 脳・神経・脊髄

Q: 味覚の再生

 4月に友人が、右目奥の良性脳腫瘍摘出後、味覚と臭覚を失いました。
脳腫瘍術後でも、人工神経チューブによる鼓策神経再生で味覚再生は可能でしょうか?
可能ならば、手術の成功率、危険性など詳しく教えて下さい。
また静岡近辺で、対応医療機関も教えて下さい。よろしくお願いします。

掲載日: 2006.8.30

A:

 専門家の先生方のご意見を参考にさせていただいて、回答を作成いたしました。
仮に前頭蓋底髄膜腫の術後の場合であれば、良性脳腫瘍で嗅覚・味覚が失われた原因は両側嗅神経の障害によるもので、鼓索神経の問題でないと思われます。いずれにしましても、嗅覚、味覚ともに失われたのは中枢神経系の障害によると思われます。人工神経チューブによる改善は末梢神経損傷についてはおおいに期待できる場合がありますが、中枢神経系の改善効果に関しましては、現時点ではまだ困難な状況にあるといわざるを得ません。現在、中枢神経系の再生医療に関する研究が世界各国で幅広く行われ、画期的な研究成果が得られつつありますので、近い将来には夢の治療が実現する可能性がおおいにありますし、私達も、中枢神経系に対する再生医療が一刻も早く実現することを切に祈っています。
なお、鼓索神経だけが損傷するのは、耳鼻科領域の手術の場合だと考えられますが、実際には、耳鼻科ではその様な例はないとのことです。鼓索神経の再生は、神経が細いということはあっても、再生理論的には可能ではないかと思います。
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