専門分野: 骨・軟骨
Q: 股関節における再生医療について
近所の整形外科において、変形性股関節症と診断されました。 暫くは、痛み止めの薬等で対応していたのですが、最近になり、人口股関節への置換手術をしてはどうかと、診て頂いている整形外科の先生から薦められている。 しかしながら、近年において、再生医療の分野で「骨や軟骨」再生が成功したことを聞き及んだので、変形性股関節症の治療において有用なものなのかを、お聞きしたく投稿を致しました。
掲載日: 2006.12.3
A:
一般的に自覚症状からの人工股関節置換術の適応は、1)痛みが仕事、行楽、日常生活の動作を制限させるもの、2)保存的な治療(薬物、理学療法)でも痛みが軽減されない、3)関節の可動範囲が制限される、4)エックス線で関節炎が進行している(医師の判断が必要)となります。 人工股関節置換術が変形性股関節症の手術として広く行われていますが、術後年数が経過するに従い、人工関節と骨との間に弛みを生じる(10年で5%程度)ことがあります。しかし、このときは再置換術を受けることができます。 軟骨、骨の再生の臨床応用は、膝関節の軟骨部欠損に関節鏡下に採取した自家培養軟骨細胞を埋め込むという技術が、実際に広島大学整形外科などで行われていますが、骨再生技術は、あいにく、股関節に関しては研究段階で、臨床応用されていないのが現状です。
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