専門分野: 脳・神経・脊髄
Q: 胸部交感神経遮断術(ETS)をうけて
わたしは、約2年半くらい前に胸部交感神経遮断術(ETS)を受けました。しかし、代償性発汗がとてもひどく、この時期でも汗をかくことがあります。代償性発汗をどうにか改善できないものかと、調べていると、最近、リバーサル手術というものがあると知りました。それは、自分の神経を遮断した部分に自家移植するもので、受けても神経が繋がらないかもしれないし、繋がっても代償性発汗が減らない場合などもあるそうで、費用も高いらしいです。それに、癒着などの状態などにより、リバーサル手術自体を受けられない場合もあるそうです。 他に人工神経というものを最近しったのですが、これは胸部交感神経にもできるのでしょうか?どうにかして代償性発汗を改善したいんです。どうか教えてください。お願いします。読んでくださってありがとうございます。
掲載日: 2006.12.3
A:
人工神経を用いてETS後の胸部交感神経幹の再生ができないかというご質問ですが、残念ながら今のところできていないと思います。現在臨床に用いられている人工神経の原理は、切断された末梢の神経繊維が本来持っている伸びる力を利用して、伸びる場所を確保し、方向を教えることで、元の神経とつながってもらうというもので、神経細胞を再生させるような直接の作用はありません。交感神経幹には汗腺や内臓に神経繊維を伸ばしている神経細胞が含まれていますが、人工神経にはこのような細胞を再生させる力はありませんので、そのまま応用しても効果は期待できないのではないかと思われます。 なお、具合的な治療法については、担当の医師と十分に相談されることをお勧めします。
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