NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.337


専門分野: 肺

Q: 慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症の医療機関

 2006年夏頃より坂道を上ったり、重い物を持つと息苦しいと言った自覚症状があり、2007年2月に慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症と診断され1年余りが経過しております。
年齢は75歳女性です。肺動脈平均圧が50mmHGです。血栓が肺動脈の末梢に多数存在しており外科手術は困難とされ、ワーファリン、ドルナー、利尿剤、血圧のお薬、在宅酸素療法の内科的治療を続けております。
今後心不全の症状が徐々に悪化し、予後は非常に心配な状態と担当医師からは告知を受けております。
近頃、循環器の専門誌や専門病院のホームページなどから「自己の血液中の幹細胞(EPC)を分離し、虚血部位へ移植することで血管新生を促すことが可能」とか、「bFGFの気道内徐放投与を行ったところ肺高血圧の進行が抑制され、生存期間も大幅に向上した」またマスコミの報道においても心筋梗塞、脳梗塞等が再生治療で目覚しい成果をあげている事例を耳に致します。
このまま、弱っていく母の姿を見ているのはなんとも忍びなく、慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症に有効な血管再生療法等を受けられる医療機関がないものかと探しております。
すぐに治療とはいかなくとも慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症の研究に明るく、近い将来臨床応用の可能性の高い医療機関をお教えください。
(京都大学医学部付属病院、関西医科大学、京都府立医科大、金沢大学、豊橋ハートセンター、神戸市立中央先端医療センターなどでの慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症への血管再生医療の現状はどうなのでしょうか?)
何卒ご尽力いただけますよう祈る思いでお願い申し上げます。

掲載日: 2008.5.22

A:

 肺高血圧症の治療ではいくつかの新しい薬物療法が行われるようになっているようですが、細胞を用いたり血管新生を目指したりする再生医療については、現在のところ各種の治療法の効果を動物実験で確認している段階で、残念ながら臨床応用には至っていません。かなり専門的になりますが、最近の治療方法などについてウエッブ上で循環器病の診断と治療に関するガイドライン(2005年度合同研究班報告)、「肺高血圧症治療ガイドライン(2006年改訂版)」
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2006_nakano_h.pdf
が公開されていますので、参考になるかも知れません。実際の治療法については、患者さん個々の状態によりますので、主治医と十分に相談されることをお勧めいたします。
NPO会員様募集中
再生医療相談室トップに戻ります
再生医療推進センターは再生医学、再生医療の実用化を通して社会への貢献を目指す非営利活動法人です。
Copyright (C) NPO法人再生医療推進センター All rights reserved.