専門分野: 骨・軟骨
Q: 膝軟骨再生治療の治験結果
掲題の件につきまして教えて頂きたく書込みしました。
約１０年前の新聞に、膝軟骨の再生治療の治験が始まったとの記事が載っていました（於：国立大阪南医療センター）
結果が出るまで１０年程度かかると記載されており、ちょうど今年で１０年経つので、上記の病院に経過を聞きました。
病院側からの回答では、そのような治療は行われていないとのこと。
インターネットで色々検索しましたが、思うような答えが導き出せない時、このＨＰに辿りつきその後の経過が知りたく質問させて頂きました。
私が知りたいのは
1.そもそも膝軟骨の再生治療の治験は行われているのか
2.その場合、結果はどうなのか
3.軟骨の損傷度合いによるが、一般的な人工軟骨への置換より人体への負担は少ないのか
4.近畿圏内であれば、どこで再生医療を受けることができるのか
調査の程よろしくお願いします。
掲載日: 2010.9.8
A:
ご質問にお答え致します。
1.そもそも膝軟骨の再生治療の治験は行われているのか
ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング（J-TEC）社の自己培養軟骨の治験が行われ、既に終了しています。
（J-TEC社のホームページ： http://www.jpte.co.jp/index.html ）
2.その場合、結果はどうなのか
４cm程度までの比較的小さい軟骨欠損に対してはほぼ良好な治療成績が得られたとされています。
3.軟骨の損傷度合いによるが、一般的な人工軟骨への置換より人体への負担は少ないのか
「一般的な人工軟骨への置換」というのが良く分かりませんが、人工関節への置換と比べれば、手術侵襲（人体への負担）はかなり少ないですが、自己培養軟骨は広範囲の軟骨損傷やその他の膝関節の異常には対応できませんので、人工関節置換の代わりにはなりません。
4.近畿圏内であれば、どこで再生医療を受けることができるのか
J-+TEC社によれば、自己培養軟骨はすでに治験を終了したため今は提供していません。現在、製造販売承認の申請中であり、来年度の前半には承認を取り、保健適応を取りたいとしています（詳しくは、J-TEC社のホームページなどをご参照ください）。従って、この想定通りに進めば、来年今頃には全国どこでも（ただし、実施できる医療施設に一定の条件が付くかも知れませんが・・・）この治療が受けられるようになることが期待されます。
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