専門分野: 眼
Q: 眼瞼の再生医療に関する相談
現在、20代の頃、逆さまつ毛がひどかったため、内反症の手術を受けたのですが執刀医の不手際により、眼瞼内の組織が瘢痕の拘縮を起こしたため、それ以来、まぶたが重く、ツッパリ、肩こりがひどく、とても疲れやすくなりました。 その後、眼瞼下垂と誤診され手術を受けました。 その結果、角膜がすべてみえ、まぶたが反転しなくなるまで挙筋を短縮し、兎眼になりまぶたが閉じきれなくなるまでまぶたの皮膚、眼輪筋、眼窩脂肪、眼窩隔膜、中央結合組織等を異常なまでに減量しました。 よって、眼瞼内の組織がさらに瘢痕化し、癒着がひどく、ひきつれを起こし、機能・形態ともに症状がさらに悪化しました。 その後、別の病院を紹介され、眼瞼内の瘢痕を切除し、ある程度回復したのですが、まぶたの皮膚、眼輪筋等、眼瞼内の組織が足りないため、まぶたが閉じにくく、ドライアイなどを患っております。 また、これまでの度重なる手術によ眼瞼内の組織が瘢痕化しているため組織が硬く、まぶたに耐え難い違和感が残り依然として疲れやすいです。 希望的観測ですが再生医療によりまぶたの皮膚、眼輪筋、眼窩脂肪など眼瞼内の組織が再生され、尚且つ、瘢痕化した眼瞼内の組織が再生医療により柔らかくなればとの思いです。 2010年3月28日にNHKでは 人体「製造」〜再生医療の衝撃〜 という番組を見たところ、細胞外マトリックスにより切断した指を再生するといったシーンが放映されたいました。 これ以上、メスを入れることはないと思います。 あとは再生医療に期待するのみなのですがいかがでしょうか? 日本では東大形成外科の吉村浩太郎医師の研究グループが進んでいるとお聞きしました。 何かご意見等、ございましたらお願い致します。
掲載日: 2010.12.5
A:
専門家の先生に確認致しましたところ、「眼瞼の瘢痕拘縮で何度かの手術を受けておられるようで、その症状により治療の可能性も大きく異なりますので、実際に眼瞼の形成の専門家の診察を受けて相談されるのがよろしいかと存じます。治療は、再生医療とは直接関係ない治療になるかと思います。」というお返事を頂きました。 現在でも皮膚や脂肪組織の再生、あるいは別の部位からの移植は可能です。しかし、瘢痕については、細胞を利用して新しくできたキズの瘢痕化を最小限にとどめようとする研究は進んでいますが、すでにできてしまった瘢痕拘縮を再生医療で解決するような研究は、残念ながらあまり進んでいないようです。上記のお返事にもある通り、信頼できる専門家の診察を受けてよく相談していただくことが最も大切と思います。
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