NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.448


専門分野: 眼

Q: 眼瞼の疾患

 私の眼瞼の疾患および、その状態についてですが
1.これまでの度重なる手術により眼瞼内の組織が「瘢痕化」しているため、まぶたの開閉がスムーズではなく疲れやすいです。
人間は1日に2万回、「まばたき」をするといわれております。
※ この件に関する回答は、硬くなった瘢痕を再生医療で治療(柔らかくするなど)する方法は今現在では確立されていないとのことでしょうか。
2.これまでの度重なる手術により、まぶたの皮膚、眼窩脂肪、眼輪筋、眼窩角膜など眼瞼内の組織をかなり減量したため、まぶたが過挙上しており、極めて閉じにくいです。
就寝中などは兎眼の状態で眠っているので目が乾きやすく、角膜が炎症を起こすため、刺すような痛み、違和感があります。いわゆるドライアイの症状です。
※再生医療により、まぶたの皮膚(植皮ではなく)および眼窩脂肪(脂肪注入ではなく)、眼輪筋等、眼瞼内の組織を再生することは可能でしょうか?
難しい質問であることは重々承知いたしておりますがご連絡を頂ければ幸いです。

掲載日: 2011.1.6

A:

 「硬くなった瘢痕を再生医療で治療(柔らかくするなど)する方法は今現在では確立されていないとのことでしょうか。」
瘢痕組織を作っている線維性の成分は、時間の経過とともに次第に減っていって伸びやすくなることが期待されます。ただ、一度出来上がった瘢痕を切除するのではなく短時間で無くしてしまうのは今のところ困難と言うしかありません。
「再生医療により、まぶたの皮膚(植皮ではなく)および眼窩脂肪(脂肪注入ではなく)、眼輪筋等、眼瞼内の組織を再生することは可能でしょうか?」
局所的に皮膚の面積を増やす方法としては色々な形で表皮細胞の再生をはかる方法(自己再生表皮の移植などを含む)がありますが、いずれも植皮の形になると思います。また、脂肪細胞や脂肪組織由来幹細胞などを注入が試みられていますが、細胞を使わないとすると人工材料でその代わりをさせる以外にはなく、いずれにしても何かを注入するような操作が必要と思います。筋肉も、心筋などで細胞を注入して収縮力を回復させるような試みはありますが、その他の筋肉ではあまり試みられていないと思います。
「難しい質問であることは重々承知いたしておりますが・・・」
残念ながらそのとおりの難しいご質問でした。信頼できる形成外科の医師と十分ご相談になり、少しでも病状が良くなる事をお祈り致します。
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