専門分野: 幹細胞など基礎
Q: 再生医療の治療効果への期待
質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
私は 病歴25年、若年性パーキンソン患者 (59歳 女性)です。 根治治療となる再生医療のことをしり、目標にして、それまでのつなぎとして9年前にDBS手術を受け、体力を維持するためにリハビリを欠かすことなく頑張ってきました、 お陰様で25年経った現在も足の力は杖歩行できる状態をたもっております。 しかし最近は言葉が出にくく、顔の表情も失われつつあります。精神的にも肉体的にも限界を感じてきております。進行性の難病ですので、25年となると、どんなに工夫しても努力しても現状維持は無理なのかもしれませんが・・・
そこで質問させていただきたいのですが、
もしp病の再生医療が正式に臨床応用されたときに
(1) 病歴30年(重症?=DBSの電源をOFFにすると寝返りさえもできません)だと 再生医療の治療効果への期待は持たない方がよいのでしょうか? (いち早く再生医療の受診をと思っておりましたが、治療効果がDBSの方が高いようであれば、今のままの方が良いのかとも思いますので・・・・)
(2)、もし再生医療の治療効果があるとしたら、発症して30年だとどの程度までの回復が可能と考えられるのでしょうか? それまでにどのくらいの期間がかかるのでしょうか?(培養〜移殖〜治療〜回復まで)
掲載日: 2012.11.6
A:
パーキンソン病に対する再生医療について、ES・iPS細胞を用いた治療法を研究している高橋淳先生(京都大学iPS細胞研究所・臨床応用研究部門・教授)にうかがいました。 まず、重症度と治療効果の関連については、「これまでの胎児細胞移植の結果では、重症の方は軽症の方に比べて効果が薄いという結果になっています。ただ、これから行おうとしているES/iPS細胞を用いた細胞移植の効果がどうなるのかはまだ分かりません。少なくともL-ドーパに反応がみられる限りは、効果は期待できると思います。より重症でも効果があるかも分かりません。」ということでした。 また、治療に要する期間については、「自分の細胞からiPS細胞を作って、それから移植用の細胞を作るとすると、移植の準備に半年〜1年間かかります。移植の効果が出始めるのは早ければ半年、だいたい1〜2年で効果がみられると思われます。」とのことでした。 高橋先生のホームページ(http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/research/takahashi_summary.html)では、現在の研究進捗状況などが紹介されています。ご参考になさってください。
|