専門分野: 骨・軟骨
Q: 椎間板の再生は不可能でしょうか
私は、腰部脊柱管狭窄症と診断されており、数百メートル以上の歩行、5〜10分程度以上の立居は、左足の痛みのため困難です。この手術を受けましたが、半年程度で以前と同じような状態に戻ってしまいました。医師からは、圧迫はとれていると云われています。 これと関係があるのだろう思いますが、50歳くらいから(腰部脊柱管狭窄症になった頃と一致します)椎間板が年々減り、64歳の現在では身長が7cm程度低くなってしまいました(現在も進行)。腰の椎間板がほとんどないためなのか、左膝外部、左脚付け根外側、左ふくらはぎに痛みがあり、痛み止めなどを服用している状態です。 再生医療で椎間板の再生を期待できないでしょうか。お手数をおかけしますが、ご回答いただきますようお願いいたします。
掲載日: 2013.6.2
A:
椎間板の再生をめざした臨床研究は2008年春から東海大学の整形外科で開始されています(ホームページは下のURL)。 http://ortho.med.u-tokai.ac.jp/public_html/general/intervertebral.html この研究の現状が下のURLの中で紹介されています。 http://mainichi.jp/sp/tokaism/opinion/con21_1.html それによりますと、「20代で椎間板が変性し、背骨を固定しなければならないほど症状が悪化した患者さんで、手術の際、固定して使わなくなる場所の椎間板の細胞を採取し、上か下の椎間板に移植するという治療法です。10例実施して、安全性を確認している状況です。あと1、2例の経過観察を終えれば、日本で初めて椎間板の高度先進医療として、治療できるようになります。ただ、この治療法は対象が限られています。現段階では幹細胞の研究とは関連しませんが、将来は、再生治療につなげていきたいと思っています。」(上記ウエッブページから引用)とのことです。 このような研究の成果が蓄積され、安全性と有効性がはっきりとしてくれば、いろいろな状況(年齢や病状)の患者さんに広く行われるようになるのではないかと期待されます。
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