専門分野:その他
Q: 再生医療の美容整形への応用について
将来的に美容整形外科学の分野にips細胞が応用される可能性はあるのでしょうか。たとえば鼻や目などの顔のパーツをより良い見た目に矯正するといったことや肌をよりきれいにするといったことです。
掲載日: 2015.1.06
A:
我が国でiPS細胞を使う場合は、平成26年11月25日に施行された医療等の安全性の確保等に関する法律(再生医療新法)に則って、第一種再生医療(安全性の審査が最も厳しい)として提供計画を作成し、特定認定再生医療等委員会(特に高度な審査能力と第三者性を有する)の意見を聞いた上で厚生労働大臣に提出し、厚生科学審議会で安全性等の基準に適合していることを確認する必要があります。将来的に、iPSからこのような審査に適合する細胞ができた場合には、美容整形の分野で使える可能性が無い訳ではありません。しかし、臨床研究を行って効果を確認しようとした場合に、「美容を唯一の目的とする医療」に起因する損害は医師賠償責任保険の対象外ですし、結果の評価が受けた人の主観に強く影響される美容整形の臨床研究をカバーする補償保険があるのかも大いに疑問です。実際に行われるようになるには、病気やケガを治す通常の再生医療以上に多くのハードルがあるものと思われます。
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