NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.583


専門分野:脳・神経・脊髄

慢性期脊髄損傷治療の研究状況 日本と諸外国

慢性期の脊髄損傷について様々な国々で研究がされているようですが、慶應大学のIPS細胞移植以外は慢性期の脊髄損傷について研究されいるのか、研究成果が上がっているのかなど、情報提供がなく実態があまりよくわかりません。
例えば、名古屋大学や岐阜大学の歯髄幹細胞移植治療、大阪大学の中枢神経再生研究RGM、東邦大学のp38mapキナーゼ透過型たんぱく質投与、サンバイオのsb623、東北大学のミューズ細胞、北海道大学の脊髄細胞移植、国立障害者リハビリセンター研究所のzbtb20たんぱく質投与などの取り組みがインターネット上で見られましたが慢性期への脊髄損傷治療の研究への関連はどうですか教えて下さい。また、海外の一流大学の状況も知りたいです。
これら以外にも有望な研究の情報がありましたら教えて下さい。

掲載日: 2016.06.26

A:

 慢性期の脊髄損傷に対する治療法の研究が少ないのは、おそらく、動物モデルが得にくい事がその一因かと思います。一般に、疾患の治療法を開発するためにはその疾患に類似した動物モデルが必要ですが、従来からある脊髄損傷のモデルは急性期を想定したもので、慢性期のモデルはあまり想定されてこなかったと思われます。ただし、近年は、急性期の研究のみでは実際にたくさんいらっしゃる患者さんの治療には結びつかないということも研究者の間で認識されるようになっており、ご指摘の通り慢性期脊髄損傷の治療法も各国で行われるように成ってきているようです。
 ご相談の内容から、すでに多くの情報を得ておられるようですので、それ以上の情報を当方から提供させて頂くのは難しいかと存じます。引き続き、再生医療に関心を持っていただき、その実現にご助力頂ければ幸甚に存じます。
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