専門分野:その他
原発性硬化性胆管炎の肝臓に ips細胞
主人【40歳】が原発性硬化性胆管炎の初期と診断されました。まだ子供も小さく 将来を考えると不安です。ips細胞で ミニ肝臓ができたと聞いてとても喜んでいます。もし ips細胞の肝臓の移植が 肝硬変 肝不全になったときに 移植可能な時が来た時に 肝炎で肝硬変になった肝臓ではなく原発性硬化性胆管炎で肝硬変になった肝臓にも 移植は可能でしょうか?1日も医学が進歩して 難病が治る日が来るのを願います。
掲載日: 2016.9.15
A:
原発性硬化性胆管炎(PSC)は胆管狭窄が徐々に進行する病気ですが、将来的にはいろいろな治療法があり得ると思います。ご指摘のように、現在でも、病気が進行して肝不全(肝臓の機能が不十分になって生命の危険があるような状態)になった場合は肝臓移植の適応となります。iPS細胞などから肝臓を作ることができるようになれば、これを肝臓移植の代わりに使うことは可能と思われます。ただし、今のところ、質的に肝臓に似た組織は作れても、大きな肝臓の機能を全て肩代わりできるほどの量にはなっていませんので、今後もいろいろな研究が必要と思います。PSCの発症には、免疫機能の変調が関与しているとも考えられています。最近では、抑制性T細胞などを中心に、免疫機能障害を是正することで病気を治すような研究も進んで来ていますので、こちらのほうからも新しい治療法が実現する可能性があります。このような治療法も、細胞を移入することによって治療効果を期待する場合は、日本の制度上では再生医療の一種として行われることになります。いずれにしても、それほど遠くない将来に、いろいろな新しい治療法が出てくる可能性が高いと思われますので、希望を持って前向きに治療を続けて頂きたいと存じます。
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