専門分野:その他
サンバイオ社再生医療薬SB623について
サンバイオ社が国内外で臨床試験予定の再生医療薬SB623ですが脳細胞を再生するといった観点から、あくまでも成人の脳卒中後の後遺症にしか効果は見込めませんのでしょうか?発達障害児など生来の脳性麻痺などには応用は見込めますか?
掲載日: 2016.9.15
A:
サンバイオ社が米国で行っている治験では、症状が安定した(明らかな回復傾向が認められない)慢性期の脳梗塞患者さんの病変部に、他家の骨髄由来の一過性に遺伝子を導入した間葉系幹細胞を注入することで、臨床症状(運動麻痺)の改善が得られたとしており、さらなる臨床試験が行われているようです。また、脳梗塞だけでなく、外傷性脳損傷の慢性期にも試験の対象が拡大されており、今後も対象疾患が拡大する可能性は大いにありそうです。ご相談の「発達障害児など生来の脳性麻痺など」の障害部位にもよると思いますが、脳梗塞や外傷性脳損傷のように障害されている部位が比較的明瞭に同定できるのであれば、彼等が「神経機能の再生を促す」としているこの治療の対象となる可能性があると思われます。彼等を含めて多くの研究者が、この幹細胞以外の多様な幹細胞の治療効果を研究している状況からみると、将来的には、患者さんの状況に応じて、より効果が期待できる幹細胞が何種類も出てくるかもしれません。
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