NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室 回答ページ No.603


専門分野:脳・神経・脊髄

頚髄損傷の再生医療について

はじめまして。じつは、夫が頸髄損傷(Cー4・5)を受傷して2ヶ月になり、回復期病棟にてリハビリをおこなっていますが、現在は再生医療に希望を繋いでいる状況です。是非 頸髄損傷の再生医療の現状と今後の展望についての情報をお知らせ頂ける様お願いします。


掲載日: 2017.08.13

A:

 「脊髄損傷の再生医療の現状と今後の展望」についてのご相談です。ただ、この全体像をお伝えすることは当相談室の能力を超えていますので、以下の2点をお伝えするに止めさせていただきたいと思います。
・ES細胞から分化誘導した細胞を用いて脊髄損傷の治療を目指す米国でのGeron社の治験は、臨床応用を開始したところで頓挫しましたが、類似の治験はAsterias Biotherapeutics社により継続されています。
・我が国では、本年2月、慶應大学の岡野栄之教授と中村雅也教授らが、iPS細胞を用いて脊髄損傷後の機能回復をはかる臨床研究を、学内の倫理委員会に申請したとの報道がありました。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG10H8Q_Q7A210C1CR8000/
 このような脊髄損傷に対する再生医療の臨床研究は世界中で行われており、その基礎となる動物実験では麻痺症状などの緩和が確実に得られております。現状では、受傷後数週間程度の比較的早期の患者さんが治療対象とされる場合が多いですが、安全性と有効性が確立されれば、慢性期の患者さんに対する治療法も研究されて、徐々に治療対象が広がってゆくものと期待されます。


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