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コラム鵜の目鷹の目
再生医療相談室 回答ページ No.650
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項 目内 容
専門分野脳・神経・脊髄
質問タイトル新生児低酸素性虚血性脳症の予後に対する治療
質問内容

サンバイオ社で実用化の進められているSB623という細胞薬があります。現状臨床開発の進んでいる適応症は外傷性脳損傷と慢性期脳梗塞とのことで、他の開発パイプラインを拝見しても新生児低酸素性虚血性脳症に対する適応は見当たらないのですが、虚血性脳機能の障害としてみた場合、低酸素性虚血性脳症を伴い出生後を過ごす乳幼児にも、体力面の問題わ考慮する必要があるかとは思いますが、適応できる可能性はありますでしょうか?

また自費での臨床研究への参加の一覧を拝見しても本法による投与機会はやはり見当たらないのですが、どのような手順でどちらとご相談すれば実施検討頂けるものでしょうか?

掲載日2019年02月06日
回 答

以下の事は再生医療相談室No.630でも回答していますが、新生児の低酸素脳症に対する再生医療は、急性期に自己臍帯血由来の幹細胞を点滴投与する第I相試験が終了し、第II層試験の準備中とされています(プレスリリース記事へ)。

また、このウエッブページでは、「脳性麻痺に対する臍帯由来間葉系細胞治療に関する研究」についても触れられていて、新生児低酸素性脳症によって起こる脳性麻痺に対して同種健常人由来間葉系細胞(MSC)製剤の投与が検討されています。これは、現在、重症急性移植片対宿主病(GVHD)に対する治療で認可を受けている製剤と類似のもので、サンバイオ社の製剤とも近いと思われます。

このように、新生児低酸素脳症や脳性麻痺に対する再生医療は研究が進められていますので、現在は行われていないとしても、近い将来、治験や臨床研究、あるいは自由診療の再生医療として試みられるようになる事が期待されます。ただし、このような製剤の安全性はかなり確立してきていますが、有効性(効果)については今後の検証が必要な段階に止まっておりますので、実施に当たっては、担当の医師などとよく相談されたうえでお決め頂くようお願い致します。

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