項 目 | 内 容 |
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専門分野 | 脳・神経・脊髄 |
質問タイトル | ミューズ細胞ついて |
質問内容 |
いつも適格なご回答ありがとうございます。2週間ほど前にミューズ細胞の件で質問した脳出血の後遺症患者です。その時の質問に関連して脳梗塞の治験を実施している会社に問い合わせをしました。その結果、この治験の対象者が亜細亜急性期の患者であることが分かったので、前回のお問い合わせについての回答は見送ってください。今回お聞きしたいのは、次の1点です。亜急性期の脳梗塞に効果があるとみられるミューズ細胞が、慢性期の脳出血にも効果が期待できる可能性はあると考えられるでしょうか? |
掲載日 | 2020年06月26日 |
回 答 |
Muse細胞の亜急性期脳梗塞患者さんに対する治験に関連したご相談です。 脳梗塞と脳出血は、慢性期には欠落した脳細胞が担っていた役割を果たせなくなって、そのために麻痺などの症状が出る点では同じですが、急性期・亜急性期における病態はかなり異なるものと思われます。したがって、亜急性期の脳梗塞で有効性が確認されたとしても、慢性期の脳出血で有効かどうかはまだ分かりません。 Muse細胞には多分化能があるとされていて、損傷した細胞に分化して効果を発揮するものと考えられています。その意味では、亜急性期の脳梗塞においては、投与されたMuse細胞が神経細胞に分化して機能障害を軽減することが期待されています。同じことが脳出血でも起こるかどうかは、適切なモデル動物を使って確認する必要がありますが、血管を閉塞すれば起こる脳梗塞に比べて、脳出血の動物モデルは同じ様な症状を高い再現性を持って作成することが容易ではありません。 ということで、今後、慢性期の脳梗塞や亜急性期の脳出血で有効性が確認されれば、慢性期の脳出血に対しても適応が出てくる可能性は高いと思われますが、それまでには、結構な研究が必要で、少し時間がかかるかもしれません。 |
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