NPO法人再生医療推進センター

再生医療相談室

No.727 重症型アルコール性肝炎

項 目

内 容

専門分野その他
質問タイトル重症型アルコール性肝炎
質問内容

私の妻が重症型アルコール性肝炎で入院しております。

病院からは、肝移植しか方法がないが、アルコール性となると、生体肝移植で、あっても厳しいとのことでした。断酒やステロイドの効果もなく、炎症を抑えることができず、いつ急変してもおかしくない状態です。

いろいろ調べて調べていますが、C型肝炎のことばかりで、アルコール性肝炎の画期的な治療は載っていません。なんとか今現在、アルコール性肝炎でも、治療できる再生医療はないものでしょうか。お願いいたします。

掲載日2020年09月15日
回 答

アルコール性肝障害で、「いつ急変してもおかしくない状態」ということは、アルコール性肝硬変の状態なのでしょうか?「アルコール性となると、生体肝移植で、あっても厳しい」とのお話ですが、現在では、生体肝移植や脳死肝移植も行われており、その成績も他の疾患と遜色ない状況です。アルコール性肝硬変の適応として、一応、「禁酒後6ヶ月以上経過し、しかも肝移植後飲酒を再開するおそれがない」と言われています。

調べても画期的な治療法がないとのお話ですが、国立国際医療研究センターのホームページ(http://www.kanen.ncgm.go.jp/cont/010/alcohol.html)などには、アルコール性肝障害の記載があります。なお、「画期的な」治療法は他の病気と同じように、原因を断つことが最も重要ですから、アルコール性肝障害の場合は断酒になります。それだけでは治らない状況であれば、肝移植を行うことになります。

なお、肝硬変に対する再生医療としては、間葉系幹細胞を用いた治療が先進医療や自費診療の形で行われていますが、アルコール摂取との関係でいえば、肝移植の適応と同じように、断酒が前提となると思われます。